2025年3月31日、国土交通省から2024年12月分の「不動産価格指数(住宅)」が公表されました。本指数は、2010年の全国平均を100とした不動産価格の推移を示すもので、日本の不動産市場の長期的な動向を把握する上で重要な指標です。
マンション価格が過去最高水準に
今回のデータで特に注目されるのは、マンション(区分所有)の価格が2010年比で208%に達したことです。2013年頃から上昇基調に入り、特に2020年以降のコロナ後は急激な伸びを見せており、他の住宅タイプと比べても群を抜いた上昇率となっています。これは、都市部を中心とした再開発の進展、低金利の持続、世界から見た日本(特に東京の)資産価値の安定性を評価する動きが背景にあると考えられます。
戸建住宅も堅調に推移
一方で、戸建住宅の価格も2010年比で117%に上昇しています。特に2020年のコロナ禍以降、「在宅ワーク需要」などによる“コロナ特需”で一時的に価格が上昇しましたが、2022年以降は横ばいに近い安定した動きが続いています。広い住空間や郊外エリアの人気が一巡したことが、価格の安定化につながっている可能性があります。直近では都心回帰の思考が再燃し始め、郊外で購入した方が再度都心部エリアで購入する傾向も見受けられる。
今だからこそ気をつけるポイント
マンション価格の高騰が続く中で、購入・投資を検討される方はエリアや将来の資産価値の見通しを慎重に見極める必要があります。また、戸建住宅や住宅地においては、相対的に安定した価格推移データを活かし、ライフスタイルに合わせた選択肢として引き続き注目されそうです。
不動産市場は今後も経済状況や金利動向、国の政策などによって変化していく可能性があります。最新のデータに注目しつつ、賢い判断をしていきたいですね。